知りながら害をなすな [ 仕事に役立つ言葉]
友達と話をしていたら、彼女のパソコンが不調だという話になりました。
私は元システム屋なので、パソコンのことは何でもわかると思われて困ります。
インフラ(ハードウェア)担当ではなく、アプリ(ソフトウェア)担当だったの。
インフラは苦手なのよね~、と言っても分かってもらえず。
(女性でこの違いが分かったら、かなりのもの?)
情報が極めてあいまいなので、肝心の不調原因はわかりませんでした。
が、話の過程で気になったことが1つ。
Windows10のプライバシー設定がデフォルトのままらしいということ。
メーカーが設定したデフォルト値をそのまま使う。
詳しくない人は、それが当たり前でしょう。
下手に触るよりその方が安全、と考えるのが当然です。
しかし、Windows10のデフォルトのプライバシー設定はかなり甘いです。
(私もWindows10を使っていてデフォルト設定のままだ!という方
→「Windows10 プライバシー設定」で検索してください。)
便利さを優先して、セキュリティ(プライバシー設定)を甘くしたのでしょう。
便利さとセキュリティは反比例します。
セキュリティは、まずは厳しくして必要な部分だけ緩めるのが基本。
最初から全部緩めるなんて、ありえません。
ただ、セキュリティの重要性は、詳しくない人には理解しにくい。
セキュリティを厳しくし過ぎて使いにくいと思われたら、メーカーには損失かも。
スマホやタブレットに押されて、パソコンのシェアは落ちていますし。
そこで思い出すのは「知りながら害をなすな」の言葉。
マネジメントたるものはすべて、リーダー的地位にあるものの一員として、プロフェッショナルの倫理を要求される。 それはすでに、2500年前のギリシャの名医ヒポクラテスの誓いのなかにはっきり表現されている。知りながら害をなすな、である
ドラッカーの「エッセンシャル版マネジメント」より
色々な分野で専門家と素人の知識差が大きくなっている現代では、この言葉の重みがますます増していると思います。
役に立たない事をしない [ 仕事に役立つ言葉]
GWも今日で終わりです。
学生時代から、GWは溜まった疲れで倒れるのが私の恒例でした。
今年はまずまずの体調で倒れることもなく、ちょこちょこ動き回りました。
それがまずかったのか、この土日はかなりだるくて動く気がしません。
若いころに比べて体力も落ちているので、これからの季節を乗り越えられるか…
そこで思い出すのが、今週の『100分de名著』
25分×4=100分で1つの名著を解説するNHKの番組です。
5月の名著は宮本武蔵の『五輪書』です。(番組のHP→★)
1回目の放送で、道を学ぶものが知るべき9ヶ条の心得が挙げられていました。
- よこしまになき事をおもふ所
- 道の鍛錬する所
- 諸藝にさはる所
- 諸職の道を知る事
- 物毎の損徳をわきまゆる事
- 諸事目利をしおぼゆる事
- 目にみヘぬ所をさとつて知る事
- わずかなる事にも気を付くる事
- 役に立たぬ事をせざる事
(覚えきれなかったので、間違いがあるかも…)
これは、上から順に対になっているそうです。
最後の1つだけが対ではないですが。
3.4.で色々なことに接し視野を広げなさいと言いながら、最後は9。
色々な経験を経て、大切なこと役に立たないことがわかるというもの。
若い頃は、判断よりは、まず経験を積むことが大切。
そうして経験を積んだら、「やることを選ぶ」にシフトすべきなのでしょう。
どれだけ経験を積んでも、必要な新しい経験から逃げてはダメですが。
若い頃と比べ、体力がないと実感する今日この頃。
「役に立たない事をしない」という言葉を胸に、GW明けから頑張ります。
『五輪書』は武道の本という印象がありましたが、ちょっと違うみたいです。
2回目も面白かったら、番組のテキストを買おうと思います。
(100分de名著の本が溜まっていく…)
宮本武蔵 『五輪書』 2016年5月 (100分 de 名著)
それは短所?長所? [ 仕事に役立つ言葉]
3連休中に、昔の友達と食事をしました。
昔一緒に働いた共通の知人の話になり、2人の評価が全く異なることにびっくり。
私は、「細かいことに気がつく、現場に強い人」とどちらかと言えば高評価。
友達は、「細かいことに捉われすぎて、大局的に判断できない人」という評価。
「細かいことによく気がつく」という評価は同じ。
でも、それを一方は長所に繋がると感じ、もう一方は短所に繋がると感じ。
二人で、「あらまぁ、こんなに違うもの?」と苦笑い。
評価の違いは、おそらく立場の違いから来ているのではないかと。
私は知人と横並びのチーム、友達は全チームをサポートする横断チームでした。
立場が違えば、見えるものも違いますから。(自分が受ける影響も違う)
で、どちらもある程度は当たっているはず。
このことを自分に当てはめて考えてみると、ちょっと気が楽になります。
自分に対する他人の評価は素直に聞いて反省すべきことは反省すべきですが、
それが全てではないということですね。
ダメだと言われた特徴が、違うところでは長所になるかもしれない。
ちなみに、友達にこんな格言を教えてもらいました。
我々の持っている天性で、徳となり得ない欠点はなく、欠点となり得ない徳もない。(ゲーテ)
私は他人に欠点を指摘されると凹みやすいので、覚えておかなくては。
大人になるということ [ 仕事に役立つ言葉]
今日は成人の日。
1/15固定でなくなり、ラグビー日本選手権の開催日でもなくなり...(古っ!)
私が成人の日を意識するのは、サントリーの新聞広告ぐらいになりました。
これは新成人に向け、年長者がちょっと辛口のエール(アドバイス)を送るもの。
私が成人する前から続いていて、今年も掲載されています。
エールを送るのは、伊集院静さん。(昔は山口瞳さん→倉本聰さん、だったはず)
が、いつも、「成人にはすぐにはピンと来ないだろうなぁ」と思います。
深い言葉なのですが、その本当の意味(価値)は経験を積んでやっと分かるものかと。
むしろ、2回目の成人の日を迎えたくらい以降の人に響くような気がします。
実際、私が20代前半の頃に毎年父親が「これを読め。良いことが書いてあるぞ」と言い、
読んだ私は「ふ~ん」としか思わなかった記憶があります。
それが、今の私は「そうですよね。その通りです。」と思いますから。
ただし、その後に「私は未だにできていないですけれど…」と反省させられる感じです。
今年は「決心しよう」というタイトルですが、
その決心に言っておきたいことがある。その夢は自分だけがしあわせになろうとしていないか。お金を得ることにこだわってないか。そういうものは卑しいんだ。覚悟とは、品性の上にあるんだ。苦しい時、辛い時に、その覚悟と、誰かのために生きようとしたことが救ってくれる。
という一文があります。
私は、成人になったばかりの人は多少卑しくてもいいんじゃないかと思います。
経験を積めばその卑しさがどれほど格好悪いか分かり、修正されるはず。
(格好悪い=人間としてのレベルが低い)
若い人は、まず経験することが大切じゃないかと思うのです。
一方で、経験を積んだ人が卑しいのは、本当にみっともない。
がしかし、私は品性を伴う覚悟を持っているか、自信がない…
この広告シリーズは、成人より上の人のためにある気がしてなりません。
成人にそれを求めるなら、自分たちはそれ以上のことができていなければ格好つきませんから。
2000年~2012年の成人の日、新社会人の入社の日に掲載された文が収録されているそうです。
もっとがんばるためには [ 仕事に役立つ言葉]
12/7の朝日新聞の青beは、中川政七商店社長の中川淳さん。
私もこの会社のブランドは好きで、懐紙を買ったばかりです。(→★)
その記事がなかなか刺激的。(会員になれば全文読めます。無料会員もあり。→★)
自社ブランドを立ち上げるだけでなく、他の企業やメーカーを支援しているのは
自分たちのためだけでは、人はそんなにがんばれない。人さまの分を少しでも背負えば、もっとがんばれる
からだそうです。
今は、背負うものはできるだけ小さく、という人が多いのに。
私も、出来るだけ背負うものは小さくしたいです。
でも、人を巻き込むと簡単に諦められないからがんばる、というのは確かにあります。
その結果、自分も大きく成長すれば、「情けは人のためならず」かしら。
いま風に言えば、win-win?
その一方で、週1回の百貨店への挨拶という業界の慣例をやっていないそう。
それで売れる訳でもなく、顧客のコスト増になる、という判断。
相手は怒るけれど、ためにならないこと、おかしいことはやらない主義らしい。
情熱と合理性が共存する、これから多くなるであろう経営者という感じです。
が、一番ショックを受けたのがこの方の年齢。
39歳と、私より年下。
老舗の13代目という会社の特性もあるでしょうが、若い…
新しい感性に負けないよう、40代もがんばらなければ。
敵と味方の間 [ 仕事に役立つ言葉]
今日は一日雨の予報でしたが、午後は曇りか晴れ。
ちょっと拍子抜けですが、明日が大変になりそうですね。
昨日の新聞ですが、集団的自衛権について軍事ジャーナリストが
安全保障の要諦は敵を減らすことだ。敵になりそうな相手はなんとか中立にすることが大切で、あえて敵を作るのは愚の骨頂だ。
と言っていました。
あぁ、耳が痛い。
どうも私は「敵か、味方か」の2つしか考えない傾向にあります。
味方じゃない=敵、と考えがち。
あえて敵を作っている?
味方ではない人を、敵にはせず中立にする。
自分のやりたいことをするためには、そういった知恵が必要なんですね。
決めるということ [ 仕事に役立つ言葉]
今日は68回目の終戦の日。
終戦の日になると思い出すのは2009/5/2の朝日新聞の記事です。
ソマリア沖への自衛隊派遣について、伊勢崎賢治さんが「憲法9条は日本人にはもったいない」という記事の中で、現実の危険を前に、日本はどうすればいいのかという問いに対し、こう答えていました。
ソマリア沖を避けて、遠回りの航路を選ぶことです。アフリカ南端のケープタウンを回ることも必要でしょう。そのために輸送日数がかかったり費用が増えたりしても、9条を持つ日本人が払わなければならないコストと受け止めるべきです
読んですぐは「え~」と思いました。
しかし、何かを決めるということは、そういうことなんですよね。
何かをするためには、どうしても払わなければならないコストがある。
(コストを最小化する努力は大切ですが、ごまかしはダメ。
最初の目的を見失うのはもっとダメ)
物事にはメリットもあれば、デメリットもある。
決めるということはデメリットをも受け入れる「覚悟」をすることでもあります。
友達は「『決断』とは『断つことを決めること』だ」と言っていました。
憲法9条を守るにしろ、変えるにしろ、デメリットは必ずあります。
そのデメリットを見極め、きちんと判断し、覚悟を決めたいものです。
憲法9条という大きな問題だけでなく、日常生活でもそう。
自分は覚悟を持って決めてきたかと振り返ると、考えが甘かったなと反省です。
とりあえずこちらがメリットが多そうだと思ってAを選択しても、そのうち状況が変わる。
この状況だとBの方がラクそうだと変更すると、また状況が変わってAに戻る。
こういう覚悟のない選択をしてしまったことが何度もあります。
その結果、A・Bどちらかを貫き通すより痛い目に会います。
何しろ、周りの信頼を失いますから。
また、「覚悟」を決めるには、より慎重な考察が必要です。
若い頃の私は即断即決タイプで、じっくり考える人を「決断が遅い」と思っていました。
今は、自分は考える範囲と深さが足りなかったのですぐ決められたのだと分かります。
だから、最近は条件反射的に答える人が苦手。
ちゃんと考える人は、それなりに間がありますから。
(テレビでは条件反射的な人がもてはやされるようですが…)
私も早く「覚悟」を持って決められる人になりたいです。
足りないのは、前もってそれなりに考える思考力か、
それとも、 想定外のことが起きてもやり抜く意志の力か。
消えるもの、残るもの [ 仕事に役立つ言葉]
図書館で借りたい本は他に貸出中で予約することも多く、貸出が集中することも。
今回も、3日間の間に6冊が貸出可能になりました。
今まで3週間の貸出だったのが2週間に変更されたので、読めるかしら
ということで、まずさっと読めそうな、この本から手をつけました。
一時代を築いただけあり、ココ・シャネルは強烈な個性と意志を持つ女性だったようです。
断片的な言葉だけなので、協調を重んじる日本人にはちょっと引くような言葉もあり...
やはり、シャネルの一生をきちんと書いた本から読むべきだったかな。
その中で、気になった言葉を2つ
装いは知恵であり、
美は武器。
そして謙虚さはエレガンス。
これは、結構有名な言葉です。
「出かける前に、何かひとつ外したら、あなたの美しさは完璧になる」
とも言っているそうです。
最後は引き算。
日本的な美意識に近いものを感じます。
独創的な発想は
失われる運命にある。
極端な独創性は飽きられやすく、消えていく運命にあるとのこと。
シャネルスーツは当時としては独創的だと思うのに、不滅のスタイルになっています。
独創性だけでなく、着心地や実用性など地に足がついた要素があるからなんでしょうね。
(本物のシャネルスーツを着たことがないので分かりませんが...)
「独創的」という言葉は仕事をしていると非常に魅力的です。
人と違うように違うようにと考えて、独創というより奇抜になったり...
やはり、ここも最後は引き算なのかな。
不幸は、不足ではなく過剰から生じる [ 仕事に役立つ言葉]
録画していたTV番組『100分de名著』の『戦争と平和』(→★)の第4回の最初に
すべての不幸は、
不足ではなく
過剰から生じるのだ
という言葉が紹介されていました。
「確かに!」と、過剰に走りがちな私は声を上げて納得。
足りないと思う時は、持っているモノのありがたみを忘れているだけのことが多いかも。
そして過剰になり、自分を見失っていく。
また、
汗した手は気前がいい、乾いた手は因業だ
という言葉も紹介されました。
因業とは、
「頑固で物わかりの悪いさま。また、人に対する仕打ちが情け容赦もなくひどいさま。 」
だそうです。(三省堂 大辞林より)
そうそう、しっかり汗かいて得たものは、なぜか誰かと分かちあいたくなること多いです。
中途半端な汗だと、出し惜しみしがちですが。
なんででしょう。
どちらも納得できるのですが、トルストイが言いたかったことをちゃんと捉えてるのかな?
『100分de名著』は好きなのですが、文学作品だとこういったモヤモヤが残ってしまいます。
結局のところ、ちゃんと本を読まないと分かった気分にもなれません。
しかし、トライするには厚すぎるのなぁ、『戦争と平和』
ところで、前回の『老子』の最終回でゲストだったドリアン助川さんの下の本、
Amazonの中国の思想(一般)関連書籍のベストセラー1位になっていますね。
『100分de名著』効果かしら?
自分ではどうにもならないこと [ 仕事に役立つ言葉]
GW中に読み返した雑誌「クーリエジャポン2013/02月号」の
『各界のリーダーたちが語る「私の人生を変えたアドバイス」』という特集の中に、
こんな言葉を見つけました。
自分ではどうにもならないことは心配するな
正確には、
自分で何とかできることだけ考えよう
自分ではどうにもならないことを心配しても時間の無駄だ
と言われたそうですが、私もこの言葉よく言われます。
自分の力ではどうにもならないことに悩んで、肝心の自分の仕事に集中できない。
時間の無駄だって分かってはいるけれど、頭が切り替えられない。
時々(?)、そういう状態にはまります。
何事も簡単にあきらめてはいけませんが、見極めも肝心。
昔聞いたこの言葉を思い出します。
変えられるものは変える勇気を
変えられぬものは受け入れる謙虚さを
そして、それを見分ける知恵を授けたまえ
「ニーバーの祈り」だそうです。
私に足りないものは、謙虚さ?知恵?どっちでしょ