ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界@三菱一号館美術館 [ 展覧会]
東京駅そばの三菱一号館美術館で9月17日まで開催中の展示会です。
(展示会のHP→★)
ティアラが多く展示されていることも、この展示会の目玉の1つです。
なんとティアラの展示エリアは撮影可能でした。
(ただし最前列からはNGで、第2列より後ろからのみ可能)
暗い中で宝石をキレイに撮影するのは私には難しい。
すぐに撮影を断念し、見ることに専念しました。
宝石だけでなく、当然のことながら細工も素晴らしい。
単眼鏡を持って行き、細かいところまで堪能してきました。
平日の午前だったのでさほど混んでおらず、じっくり見られたので良かったです。
マハラジャのためのジュエリーのデザイン画が素敵でした。
ショーメには、今までアーカイブされてきたデザイン画が6万はあるそう。
(ショーメが属するLVMHグループのHPから→★)
有名ハイジュエラーの新作でよく「アーカイブからインスピレーションを得て」とあります。
歴史の重みと強さですね。
でも、歴史は比較すると浅いけれど、日本のハイジュエラーも素晴らしいです。
ミキモトの「Feel the Pearl 感じるパール展」(→★)も早く見に行かなくては。
フランス人間国宝展@トーハク [ 展覧会]
フランス人間国宝(メートル・ダール/Maître d' Art)は、日本の人間国宝(正式名称 重要無形文化財の保持者)認定にならい、伝統工芸の保存・伝承・革新を旨として、フランス文化省により1994年に創設されました。
本展は、この「メートル・ダール」の認定を受けた13名の作家と、まだ認定はされていないものの、素晴らしい作品を制作している2名、合計15名の作家を紹介する世界初の展覧会です。卓越した技と伝統、そして未来へと繋がる華麗な美の世界を体感してください。
作品もそうですが、照明など空間の演出もカッコよかったです。
ちょっとブランドの展示会みたいな感じがしました。
そのオシャレな雰囲気が垣間見える動画が、youtubeにアップされています。
(アーティスト紹介の画像は、展覧会公式HPにも掲載されています。)
寒い中を立って観る必要がなかったようで、事前に知っていれば…
アーティストもHPやインスタを持っているようで、時代は変わりましたね。
麦わら象嵌細工と聞いて素朴なものを想像していましたが、全く違いました。
(公式HPの麦わら象嵌細工作家Lison DE CAUNESさんの紹介→★
ちなみにこのページにある作品は展示されていません。)
しかし、麦わらが装飾の材料になるなんて。
世界には色々な材料を使った、色々なテクニックがあるんですね。
また、日傘は骨の部分を覆ったものは、今まで見たことがなく。
(公式HPの傘作家Michel HEURTAULTさんの紹介→★)
和傘は骨も美しく見せる方向で工夫をしているような。
美しさを追求する方向性がちょっと違っているようで、面白いです。
今週末、混雑を避けて芸術の秋を楽しみたいなら、お勧めです。
2017/11/26まで開催と、終了近くですがそんなに混まないかと。
(照明が醸し出す雰囲気はとてもカッコよかったのですが。)
私の老眼のせいもあります^^;
もしかして、多くのフランス人は接近してみるような細部は気にしないのかしら?
日本人は、(少なくとも昔は)細かいところが気になったようで。
次は、「驚異の超絶技巧! -明治工芸から現代アートへ-」(三井記念美術館→★)を観に行きたい。
「高円宮家所蔵 根付コレクション」展@國學院大學博物館 [ 展覧会]
特別展「高円宮家所蔵 根付コレクション」を見るためです。
2つの大学だけでなく、中等科や高等科も集まっている文教エリアを抜けます。
何かイベントを行っているのか、元気な歓声が聞こえました。
右は実践女子大学関連施設のゾーン。
緑豊かで、渋谷・表参道の喧騒とはまた違った趣き。
高円宮家は現代根付のコレクターとして知られているそうです。
伝統的な雰囲気のものもありますが、一部には現代らしいものも。
(館内は一部エリアを除き撮影OKでした)
バーガーとポテトと飲み物の印籠というのもありました。
これはヨーダみたい。
撮影OKでも、シャッター音などが気になるので、撮影したのはこの2枚。
さすが慣れていらっしゃる。
私は単眼鏡を忘れてしまったので、もう一度行こうかな。
と、入場料無料なのです。
アンケートに答えたら、目録(一部?作品のカラー写真あり)がもらえました。
冊数限定で配布しているそうです。
國學院大學、太っ腹すぎ!
「考古ゾーン」には
縄文土器があったり
埴輪があったり。
私は「埴輪は小さいモノ」と思い込んでいたのですが、違うのですね。
はに丸やひんべい?は大きすぎではなかったと今ごろ知りました。
常設展エリアは、すいていたのでじっくり見られます。
充実した展示なのに、常設展も特別展も無料。
なかなか良いところだと思います。
ヴァン クリーフ&アーペルの「ノアの方舟」 [ 展覧会]
11/23は、もう1つハイジュエリー展を見てきました。
新作ハイジュエリーコレクション
『ヴァン クリーフ&アーペルが語るラルシュ ド ノエ(ノアの方舟)』
開催期間:2016年11月12日(土)~2017年1月15日(日)
場所:ヴァン クリーフ&アーペル 銀座本店 3階にて/入場無料
東京都中央区銀座 3-5-6
「ノアの方舟」に着想を得た、宝石を散りばめられた動物のつがいのクリップなどが展示されています。
撮影可でしたが、やはりジュエリーをキレイに写すのは難しいので断念。
画像は、ヴァン クリーフ&アーぺルの日本語版公式ツイッターからお借りしました。(→★)
画像の黒の部分は、木だったような記憶があります。
もしかしてこれではなかったかもしれませんが、木を使ったものが確かにありました。
高級ブランドの余裕でしょう。
他ブランドでもセラミックを使ったり、発想が自由になってきましたね。
ヴァンクリの代名詞「ミステリーセッティング」の商品もありました。
と言っても、私が覚えているのはルビーの不死鳥だけ。
サファイアのユニコーンもあったはずなのですが。
やっぱり撮影するべきだった…
「ミステリーセッティング」とは爪が見えない石留の方法。
下の画像の花の部分にはルビーが並んでいますが、爪がないのですっきり。
(この商品は展示会にはなかったものです。)
画像はヴァン クリーフ&アーぺルのHPからお借りしました。(→★)
展示は裏からも見えるようになっていました。
裏から見ても綺麗で、さすがの技術力。
ジュエリーも人間も、後ろ姿に気を配ってこそ本物!
40点弱作られたコレクションも、既に10数個は販売済みだそう。
(まず、パリで公開されて、次に東京に来たらしい。)
どれも数千万、ものによっては1億以上だそうです。
いやはや、お金はあるところにはある^^;
あまり宣伝がされていないからか、人が少なくゆっくり見られました。
店員さんが詳しく説明をしてくださいましたし。
入るには敷居が高いかもしれませんが、まさに芸術品。
博物館に入るような気分で見るのも良いかもしれません。
ティファニー ダイヤモンドが圧巻でした [ 展覧会]
チャリティサンタを買った後は、ティファニー銀座本店へ行きました。
THE TIFFANY DIAMOND AND ARCHIVE COLLECTIONを見るためです。
(ティファニーのHPでの告知→★)
展示されていたのは20点程度でしたが、目玉は「THE TIFFANY DIAMOND」
↓ 下のネックレスの中央の大きなファンシーイエローダイヤモンドです。
配られていたパンフレットの表紙です。
場内はカメラ撮影可でしたが、ジュエリーの写真をきれいに撮るのは難しい。
やはり専門のカメラマンが、機材を揃えて撮影した写真のほうがキレイ。
128.54 カラットと世界最大級のファンシーイエローダイヤモンド。
画像よりはっきりしたイエローで、キラキラ感が半端ではありません。
このダイヤモンドは、何回かデザインが変わっています。
真ん中は、「ティファニーで朝食を」のPRでオードリー・ヘップバーンの胸元を飾ったそう。
私は右下のダイヤモンドの上に鳥がいるバージョン(「Bird on a rock」)が一番好きです。
華やかさはネックレス2つに負けるかもしれませんが、愛嬌があるので。
ちなみに、一般的にダイヤモンドは無色透明なほど価値が高く、薄いイエローは価値が落ちます。
が、鮮やかなイエローだと逆に希少性が高まり、価値が出ます。
欠点と思われたことも、伸ばして伸ばして伸ばせば案外長所になるのかも?
私も頑張ろうっと^^;
入場無料、11/27までなので、興味のある方はこの週末にぜひ。
THE TIFFANY DIAMOND AND ARCHIVE COLLECTION
会期:2016年11月5日(土)~11月27日(日)
時間:10:30~20:00 (最終入場 19:30)
会場:ティファニー銀座本店 3階ギャラリースペース (入場無料)
住所:東京都中央区銀座2-7-17
メディチ家の至宝展@東京都庭園美術館 [ 展覧会]
最近なかなか展覧会に行けませんでしたが、ようやく行ってきました。
東京都庭園美術館の「メディチ家の至宝-ルネサンスのジュエリーと名画」展
入り口から建物までのアプローチの自然に心洗われます。
庭園美術館は、オットー・クンツリ展(その時の記事→★)に続いて2回目。
ジュエリーという点では共通でしたが、来館者の数はやはり違うようです。
オットーさんはコンテンポラリー・ジュエリーの大家ですが、観念的で難しい。
今回は、「綺麗・すごい・贅沢」とジュエリーの王道を行くもの。
日本での受け入れられ度合が、来館者の数で分かります。
出展されたものでは、やはりカメオと真珠が目立ちました。
真珠は女性の肖像画に多く、大きさを揃えたまるい真珠がたくさん服に縫い込まれていたり。
養殖真珠ができる前の真珠の価値は、今とは全く比べ物になりません。(こちらの記事参照→★)
バロックパール(形がいびつなパール)をジュエリーなどに仕立てたものもありました。
これ↓はパールを赤ちゃんに見立てているのですが、顔までしっかりある!
画像は、庭園美術館のHP→★からお借りしました。
これだとあまり赤ちゃんという感じがしないですが、角度によっては顔が見えます。
どれも細工が精巧で、どれだけの時間とお金がかかっているのやら。
メディチ家の財産があればこそ出来たことです。
贅沢といえば贅沢ですが、それが極まって文化になった。
現代のメディチ家は、どこが担っているのかしら?
オットー・クンツリ展@東京都庭園美術館 [ 展覧会]
庭園美術館で12/27まで開催されている「オットー・クンツリ展」に行ってきました。
庭園美術館といえば、アール・デコ様式で有名です。
↑ 旧朝香宮邸
↑ エントランス(ここまでは写真撮影OKでした)
一方、オットー・クンツリさんは、コンテンポラリー・ジュエリーの巨匠です。
↑ 展覧会のチケットです。
コンテンポラリー・ジュエリーとは、身につける現代アートみたいなもの。
アール・デコと現代アートが共存する不思議な空間でした。
(旧朝香宮邸だけでなく、現代的な新館ギャラリーでの展示もありましたが)
コンテンポラリー・ジュエリーなので、使っている素材は貴金属・宝石とは限りません。
炭や木や岩や発砲スチロールもありました。(それがほとんどかも)
上のチケットの赤いハートのブローチも発砲スチロールだったはず。
ジュエリーに美だけでなく、色々な意味を持たせています。
例えば、2つのリングを棒でくっつけたもの。
2人が身につけると、お互いにつながって離れられません。
愛の持つ「絆」と「束縛」という2つの要素を感じました。
と、理解しやすい作品もありますが、解説がないと深い意味に到達できない作品も。
↑画像はメトロポリタン美術館のHPからお借りしました。(→★)
"Gold Makes you Blind"というブレスレットですが、見えるのはゴムの黒いものだけ。
しかし、丸い部分の中には金(しかも18金!)が入っているそうです。
金は人間の欲望の対象となり、戦いや悲惨な事件の原因にもなってきた。
その金を再び地中(暗黒の中)に閉じ込めようとしたのだとか。
が、このブレスレットを身につけ続けると、ゴムが破れて金が露出するそうです。
(この深~い話は、展覧会に行く前に教えてもらったもの)
ただ、こういった深い意味を見ただけですぐ理解するのは難しいです。
今回の展示会では作品名と素材名のみの提示だったので、さらに。
それが、現代アートの良さ&難しさなのかしら…
アート オブ ブルガリ@東京国立博物館 [ 展覧会]
先日、御徒町に用事があったので、上野に寄ってこちらを観てきました。
トーハクの表慶館で行われている『アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝』展です。
私は、2012年にも銀座でブルガリ展を観ています。(→★)
それも豪華だったという記憶がありますが、多分こちらの方がもっと豪華。
素晴らしい宝石と美しいデザイン・緻密な作業に圧倒されます。
例えば、表慶館の正面に写真が掲げられているこちらのように、
(以降の画像はトーハクのHPからお借りしています。)
豪華で端正で完璧に左右対称なジュエリーが続きます。
その中に、日本の美意識にインスピレーションを受けた作品のコーナーがありました。
でも、やっぱり左右対称。
西洋人がつくると、やはりこうなってしまうのですね。
以前『100分de名著』という番組で紹介していた岡倉天心の「茶の本」の解説を思い出します。(→★)
それによれば、西洋人は人間が自然を支配できると考え、(明治以前の)日本人は自然が人間の上にあると考える。
そのため、西洋人は左右対称が美しいと感じ、日本人は左右非対称が美しいと感じるんだとか。
左右対称が嫌われるのは、想像の余地がないからでもあります。
想像の余地を残すため、日本では余白も大切にします。
下のような構図の場合、日本人デザイナーならもう少し大胆に余白をとるでしょう。
このような微妙な美意識の違いも感じましたが、どれも素晴らしいデザイン・技術でした。
(宝石が素晴らしいことは言うまでもない)
今の日本人の感覚だと、左右対称も美しいですから。
それでも、何か物足りなさ(というより、過剰感)を感じていました。
ブルガリのジュエリーを身につけている映画スターの映像を流しているエリアで、それが何だか分かりました。
ドレスの空間があってこそ、このような豪華で大きなジュエリーが生きるのです。
やはりジュエリーは身につけるものなのだと実感した展示会でした。
(このクラスのジュエリーを身につけられる人は非常に限られていますし、日本ではドレスを着る機会が非常に少ないですが...)
クレオパトラとエジプトの王妃展@トーハク [ 展覧会]
土曜日に「クレオパトラとエジプトの王妃展」に行ってきました。
(画像は全てトーハクのブログ「1089ブログ」からお借りしました。)
行こう、行こうと思っているうち、会期末(9/23まで)が近くなり…
出来るだけ空いていそうな夕方に行きました。
トーハク(東京国立博物館)は
・金曜日は20時まで
・土日祝は18時まで
開館していることが多いので、夕方が狙い目なのです。(それ以外は17時まで)
(ただし、例外もあるのでご注意ください)
私は16時半過ぎに到着したので、たしかに混雑していなかったです。
閉館20分前に全体をもう1周したときは、ガラガラでした。
が、ちょっと時間が足りなかったかな。
トーハクのHPに
作品保護のため、会場内の温度、湿度および照度を調整しております。気候によっては寒く感じられる場合がありますので、体温調節しやすい服装でのご来館をおすすめします。
との注意書きがあったので上着を用意していってよかった。
上着がなければかなり寒かったかも。
が、単眼鏡を忘れてきたのは痛かった。
思いのほか小さくて細かいものが多かったので、残念。
一番印象に残っているのは、「王妃の頭部」
古代エジプトと聞いて思い浮かべるものとは全く違うものです。
前後の展示品が「The 古代エジプト」なのでひときわ印象的でした。
これを生み出した「アマルナ改革」に興味が湧きました。
タイトル入っているクレオパトラの展示品はそれほどありませんでした。
クレオパトラと言えば、私が連想するのは「真珠」です。
クレオパトラがアントニウスに1国に相当する価値の宴会をする賭けをして、自分がしていた真珠のイヤリングの片方を酢の中で溶かして飲み干して勝ったというお話が有名なので。
(当時の真珠はもちろん「天然真珠」で、養殖真珠ができるまで真珠の価値は非常に高かった)
装飾品がいくつか展示されていましたが、真珠はなかったような…
生粋の古代エジプト人には、真珠は人気がなかった?(クレオパトラはマケドニア系)
エジプトは、乾燥地帯ですし。(乾燥は真珠の敵)
しかし、古代エジプトの時代、日本は縄文・弥生時代なんだとか。
その時代にあれだけの技術があったなんて、すごい。
この展覧会の他に、気になる展覧会がいくつかあります。
そろそろ、「芸術の秋」ですね。
燕子花と紅白梅@根津美術館|光琳の国宝2つ [ 展覧会]
土曜日は、表参道の根津美術館で開催されている「燕子花と紅白梅」を観に行きました。
展覧会の期間終了直前で混んでいると予想し、できるだけ人の少ない閉館前に行きました。
最後の1週間は、午後7時まで開館されているので。
こういう配慮は嬉しいです。
(画像は全て根津美術館のHPからお借りしました)
展覧会のみどころは何と言っても尾形光琳の2つの国宝「燕子花図屏風」「紅白梅図屏風」。
「燕子花図屏風」は根津美術館所蔵で、毎年かきつばたが咲くこの時期に展示されます。
私は去年始めて見ました。(その時の記事→★)
なので、今回の一番観たかったのは「紅白梅図屏風」。
MOA美術館に所蔵されているので、なかなか観る機会がなくて。
同じように考える人が多いのか、「紅白梅図屏風」が一番人気でした。
(「燕子花図屏風」の方が、横に長いというのもあるでしょうが)
が、閉館直前という時間がよかったのか、遮る人もなく全体を眺められる時間もありました。
ずっと中央の水流の下側は若干広すぎかもと思っていましたが、現物を見て納得。
屏風なので「へへ」の字形に配置され、横がぎゅっと縮まるんですね。
立体的な屏風を平らにして撮影した時と実物では、受ける印象がやはり全然ちがいます。
これは、去年「燕子花図屏風」を見たときにも感じたことですが。
しかし、光琳のデザイン力はすごい。
日本人独特の美意識の素晴らしさを改めて認識した展覧会でした。