ケアの本質 [ おすすめ本]
この前のサルの広告から刺激を受けたこともあり、GWに挫折した本にリトライしています。
「ケアの本質-生きることの意味」という本です。
ケアと言っても、介護ではありません。
一人の人格をケアするとは、もっとも深い意味で、その人が成長すること、自己実現することをたすけることである。
ケアすることは、自分の種々の欲求を満たすために、他人を単に利用するのとは正反対のことである。
他の人々をケアすることをとおして、他の人々に役に立つことによって、その人は自身の生の真の意味を生きているのである。
こういう関係は、子供に対する親が最初に思い浮かびます。
が、部下に対するリーダや、顧客に対する企業も当てはまるのではないかと。
もちろんビジネスではケアだけが判断基準ではないですが、これからの時代はケアが重要なファクターになるのではないかと。
最近の消費者は賢くなって、企業が消費者のためと言いながら自分たちの利益を追求していることを敏感に感じるようになってきていますから。
まぁ、ビジネスの世界はさておき、1文読むごとに考えさせられます。
例えば、
ケアする時は、相手の立場でものを見なければならないが、相手と同じ反応をしてはいけない。相手の世界をリアルに感じながらも、相手の世界をもう一段広い視野で見るからこそ、相手をケアすること(困った状態から抜け出す援助をするなど)ができる。
のようなことが書かれていました。
私は、相手の立場でものを見るのが苦手。
そして、相手の思いを感じたら、今度はその世界にどっぷり浸かって同じ反応になりがち。
どちらにしても、本当の意味のケアはできそうにないわ。
「ケア」は、私の人生後半の課題になりそうです。
失敗はちゃんと反省しないとね [ おすすめ本]
図書館で予約していた本が、ようやく貸し出しになりました。
申し込みから2ヶ月以上かかったので、なかなか人気のようです。
「失敗の本質」という大東亜戦争での日本軍の問題点を分析した名著をベースにした本ですが、サブタイトルにあるように現代日本の組織についても同じ問題点があるとの指摘がメインです。
- 上層部が、現場を活用できない
(自分の理解できない新しいことを馬鹿にしたり、現場の優秀な人間の意見を聞かない) - 論理的に分析できないので、型通り(前例の繰り返し)のことしか出来ず、失敗する
- 論理的思考より、集団の空気で物事が決まる
- 都合の悪い情報は無視する
(「こうあってほしい」という幻想が共有される)
などなど、そうだそうだと感じることばかり。
戦争であれほど多大な犠牲を払ったのに、日本人が何も学習していなかったという事実に愕然とします。
失敗を避けるための重要なポイントとして、戦略と人事評価制度が挙げられています。
戦略は当然だけれど、人事評価も組織構成員に送る重要なメッセージになるそうです。
確かに人事評価はモチベーションに直結する問題ですが、場の空気と同じで感情で動く日本人にはなかなか難しい問題なのかもしれません。
日本文化論として、色々考えさせられる項目がありました。(特に集団の空気に関して)
「失敗の本質」を読んでみようという気になります。
【関連記事】
別ブログですが、この本の「戦略」に関する記述を簡単にまとめています。
・「戦略」なんて関係ない?
100分 de 名著はおもしろい [ おすすめ本]
NHKのEテレで放送している「「100分 de 名著」。(番組HP → ★)
たまたま「真理のことば ブッタ」の再放送を見てから、はまっています。
難しそうで読まずにいた本をやさしくやさしく解説してくれます。
あまりに良かったのでテキストも買いました。
(NHKの語学テキストと同じかちょっと厚いくらい)
番組より掘り下げてあるけれどコンパクトにまとまっていて、とても分かりやすい。
番組を見ていなくても大丈夫なので、放送済みの番組のテキストも購入しました。
そのうちの1つが「論語」
テキストによれば、論語は原文より後からつけられた注のほうがだんぜん多く 、後からつけられた解釈が問題で、孔子の考えていたことが誤解されて伝わるもとになっているそう。私は「儒教的」な思想に馴染めないのですが、「儒教的解釈」は、孔子のもとの意味を離れて支配者の都合のいいものになってしまったものなんだとか。孔子さん、そうとは知らず毛嫌いしてごめんなさい。
ブッタの「真理のことば」もそうですが、本人以外の人が解説を付け加えたため、真意が捻じ曲がるのはよくあることなのですね。やはり、原典に当たることが非常に大切。でも、研究者でもない私には絶対無理だから、こういう有名な(多分…)研究者のお話が550円で読めるのは、非常にお得だと思います。もちろん、ここから掘り下げるべきでしょうが。
時の試練を生き残った古典には何かがある。そう感じる2冊です。
【関連記事】
・怒りに打ち勝つ
10年後に食える仕事 [ おすすめ本]
昨日、雨の日のマナーで日本人らしい心遣いが出来ない人が増えているのかもと思いましたが、それで思い出したのが週刊東洋経済2011/8/27号に載っていた「10年後に食える仕事 食えない仕事」という記事。
その記事では、職業を2つの軸で4つのゾーンに分けています。
(8/27の記事を基にしたと思われる同タイトルの本が出ています。
その本の新聞広告に載っていた図です)
1つ目の軸が「日本で生まれ育った日本人でないと身につけづらい特殊性」という日本人メリット。(例)日本特有の慣習に精通、高いサービス精神、チームプレー。
2つ目の軸が、知識集約的か技能集約的か。
日本人メリット小の『無国籍ジャングル』『重力の世界』(図の左側)はグローバル化によって国際競争が激化、今後特に厳しい世界となる。
『重力の世界』は、ハングリーなインド人・中国人とのガチンコ勝負となるエリア。
『無国籍ジャングル』(パイロットや会計士など)は世界を相手に実力だけで勝負しなければいけない非常にシビアな世界。
日本人相手の日本人にしかできないサービスを提供する『グローカル』『ジャパンプレミアム』がこれからは有望。(特に『グローカル』)
『グローカル』は医師、弁護士、コンサルタント、記者・編集者など
『ジャパンプレミアム』はホテルマン、生保営業、スーパー技能職など
という分析がされていました。
しかし、昨日の様子を見ると日本人メリットを持っている人が減少し、
(サービスを提供する側になりうる人の減少?)
日本人メリットをメリットと感じなくなっている人が多くなっている?
(サービスを受ける側がその必要性を感じない?)
いや、ラグジュアリーホテルの人気などを見れば、日本人メリットは求められているはず。
サービスを提供する側になりうる人が減り、日常生活で昔は当たり前だった日本人メリットが感じにくくなっているなら、むしろ『ジャパンプレミアム』にとって有利???
『グローカル』をリタイアした私は(システムエンジニアもグローカルだそう。本当かしら?)
やはり、『ジャパンプレミアム』を目指すしかないのかな。
どの戦場に行っても、大変なのは間違いないですが。
別の視点から考えた関連記事を、別ブログに書いております。
↓
ブログ 「働く女性の戦略的生活スタイル|Another You」の
ミニコラム 「10年後に生き残るためのキャリア戦略マップ」
書く技術 [ おすすめ本]
こちらのブログは起承転結も考えずダラダラと書いていますが、
別ブログではまじめなコラムを書いています。
自分の考えを相手が理解できるように書くって本当に大変です。
いつも「大変だ~」と言っている私に対して、親友のまーちゃんがこれを読めと。
実は、推薦されるのは3回目。1回目の話はこちら→「相棒に学ぶ」
今回は、切羽詰って、仕方なく読み始めました。(まだ手をつけたばかり)
のっけから、私の文章が否定されるような言葉が書いてあります。
「トップダウンに配列する」
会社では「結論から書け」と言われたから、大きな結論は先に書いている(つもり)。
けれど、全体がそのように統一されているかといえば違う気がする。
どうしても、ボトムアップになりがち。
両親と話していると、細かい説明を延々と聞かされるので
「一体何の話がしたいんだろう?この話はどこにむかっていくのだろう?」
と常に頭がフル回転して疲れることが多い。
話がトップダウンに配列されていないと、こういう苦労を聞き手・読者に与えるらしい。
そりゃ、えらい拷問だわ
まーちゃんには、私の読書に対する姿勢まで注意されました。
「原理原則をきちんと説明した本を2・3冊読んだら、後は実践あるのみ。
それ以上は何冊読んでも時間の無駄」
図書館から11冊目の収納の本と、6冊目の怒らない方法の本を借りている私。
確かに、分かっていることを違う方向から説明されているにすぎないと感じること多い。
後は実践のみというのは分かっているんだけれど、
「挫折することが多いからなぁ。まだ知らないことがあるのかも。」
「原理原則が分かったら、後は自分の頭で考えるんでしょ。Think!
答えは本の中ではなく、あなたの頭の中にあるのよ。」
は~、また今回も完敗です…
他人を思いやるということ [ おすすめ本]
最近少し落ち込みが激しい友達Aと親友まーちゃん、私の3人でお食事をしました。
Aは、何かあるとそのことに捉われすぎて身動きが取れなくなる様子。
「気分転換が出来るといいかもね~」
「裁縫得意なんだから、何か作ってみれば?」
「小さながま口の小物入れなんていいかも~」
と思いつくままに提案する私。
が、Aは「そうだねぇ」と気のない返事。
このまま放置してはきっとAは何もやらないだろうなぁ。
帰りの電車でまーちゃんと2人だけになった時、
「Amazonでハンドメイドの本探してAに送ろうかな」
と言うと、すかさずイエローカードが出されました。
「相変わらず、ゆうはせっかちで上から目線。そんなんじゃ人は動かないよ。」
あはは、また言われてしまった
むかし下を育てている時にも言われたことありますわ、そのセリフ。
しかし、どうすればいいのさ?
「例えば、最初は『こういうものあったんだよ、いいよね~』とAに話しかける。
次の機会に『Aなら、こういうもの作れるんじゃない?私は無理だけどねぇ~』
その次の機会に『私はこういうもの欲しいんだけれど、Aだったら作れないかなぁ。
私が作るのを手伝ってくれるだけでもいいんだけれど』とかね。
あせらず、じっくりと事を進めて、相手に興味を持たせないと。」
そんなこと、気が短くて忘れっぽい私には絶対無理です
策士のまーちゃんらしいわ。
が、これは策略ではなく、相手の気持ちを慮った結果だそう。
「あれやれ、これやれと言われて、ゆうはやる気になる?ならないでしょ。
ゆうは相手を自分の思い通りに動かすことしか頭にない。
相手はどういう気持ちなのかに興味なさすぎ。
大切なのは相手がやる気になることのはずなのに。
相手をよく見ながら、少しずつ、少しずつよ」
そんな辛抱強くって、相手の自主性を重んじるまーちゃんが私に推薦する本がこちら。
『人のため』とはどういうことが良くわかる本だそうな。
ちなみに「ケアとは、他者の成長・自己実現を助けること」だそう。
「コーチングの本なら読んだことがあるよ」と私が言ったら、
「コーチングの本はテクニックが主だけれど、この本はマインドを分析している」そう。
はい、はい、読んで勉強いたします
客はそんなに偉いのかな? [ おすすめ本]
11/23の高島屋のチャリティーサンタ購入時に遭遇したクレーマーちっくなおばさま。
行列に並んでいる50分間、ずっと店員や連れに大声で文句ばかり言っていました。
確かに高島屋の対応も充分とは言えなかったけれど、そんなに騒ぐほどのことかしら?
私が一番引っかかったのが、「ご迷惑をおかけします」と謝る店員に言ったおばさまの一言。
「最初から、そう謝っていればいいのよ。
客を何だと思っているの。
今回、私が言ったことは後でありがたく思うはずよ。」
私は、こういう「××に対して、そういう口の利き方をするな」発言をする人、信用しません。
「客に対して」
「親に対して」
「上司に対して」
「先輩に対して」
こういう人たちには、「皆にとってよいこと(正しいこと)は何か」を考えるという気がありません。
「相手のためを思ってやった」と主張しますが、考えているのは自分にとって何が都合がよいかということだけ。
それが証拠に、こういう人たちの言動には一貫性がありません。
「自分に都合のよいこと」が正しいことなので、自分の立場・状況が変わると意見を変える。
しかも、意見を変えた、前は間違っていたという自覚がない。
このおばさまも、まさにそう。
お客様が購入するサンタを選んでいるから時間がかかっていると分かった時、
「客に選ばせずに、店員がさっさと渡して文句言わせるな。」と言っていたのに、
自分が選択する時は「選ぶ時間をちゃんとくれないと怒るぞ」と悪びれずに言う。
こういう人たちに欠けているのは、「相手にも人間として尊重される権利がある」という意識。
店員はお客様に失礼な言動をしてはいけないが、客も店員に失礼な言動をしてはいけない。
店員・客という立場の前に、人間としてお互いを尊重しあうという考えがないと。
何で相手を尊重しないのに、自分が尊重されないと怒るのか、私には理解できません。
一方で、「××に対して」とつけなければ語れない人は、かわいそうだなと思います。
「お客様という立場でなければ誰も自分の意見を聞いてくれない、そういうつまらない内容しか私は語っていませんよ。」と宣言しているようなものですもの。
あのおばさまは「アサーション」の本を読んだほうがいいと思う。
そうしたら、自分の意見を主張する流儀が分かるはず。
その怒りっぽい性格も改善されるだろうし。
私は、この本を読んで(そこそこ)怒らなくなりました。(改訂前の本だったけれど)
相棒に学ぶ [ おすすめ本]
5/7(土)に、神保町の三省堂書店に行きました。
まず目に入ったのは、『考える技術・書く技術』の山。
翻訳者の山崎康司さんが最近出した『入門考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法』の抱き合わせプロモーションでした。
一時期、ほとんどの上司の机の上に『考える技術・書く技術』があったなぁ。
もちろん、私は読んだことありません。(威張ってどうする)
しかし、ドラッカーもサンデル教授も読んでいた私の友達まーちゃんはこの本も読んでいます。
さすが、まーちゃん。
まーちゃんが言うには、TVドラマ『相棒』は、この本で書かれている通りの展開になるそうです。
まず、事件の状況が説明される。 <状況>
そこに右京さんが現れ、新たな事実を指摘する <複雑化>
そして右京さんがこう言う。「どうして○○なんでしょうねぇ。気になりますねぇ」 <疑問>
最後に右京さんが事件を解明。 <答え>
『考える技術・書く技術』によると、文章の導入部を上記のようなストーリー形式にすると読者がひきつけられるらしい。
「ブログを書くんだったら、この本読んで構成の参考にしたら?」と当然のように言うまーちゃん。
「私はあなたのように頭の回転が速くないし、構造化が必要になるような複雑な話をブログに書いていません」と思ったけれど、それを口にするとまた面倒なことになるので、黙っておきました。
まーちゃんの他のお言葉はこちら↓
プロのお仕事
知ってます。でもやってません(^_^;
持つべきものは友?
持つべきものは友? [ おすすめ本]
GW初日に友達の家に遊びに行った話の続きです。
彼女は読書好き。
と言っても多読ではなく、気になる本は手元に置いていつも読み返しているタイプ。
そんな彼女にちょっと聞いてみました。「ドラッカーって読んだことある?」
すると、彼女は色々とドラッカーの本を出してきてくれました
『マネジメント』
『プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか』
『イノベーターの条件―社会の絆をいかに創造するか』
『チェンジ・リーダーの条件―みずから変化をつくりだせ! 』などなど。
「ドラッカーの著書は多いのよ。
解説本がいっぱい出ているから、まずそれから読んだら?」と彼女。
「ふ~ん。ありがと。
ところで、ドラッカーの本の核心を一言で言うと?」と聞いてみた。(意地悪な私)
「”マネジメントとは、人間の心を扱う、人間の本質にも届く人間学”
ということだと私は思う」とあっさり切り返されました。
さりげなく、裏の版・刷を確認すると、どれも2004年位。
う~ん、7年位前に既に読んでいたのか。
畳み掛けるように彼女は、
「今話題のマイケル・サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』は読んでみた?
田坂広志の『複雑系の知―二十一世紀に求められる七つの知』もお勧め。
ビジネス書なら『7つの習慣―成功には原則があった!』は読むべき。
また、ドラッカーと同じくらい古典のポーター『競争の戦略』。
これも、解説本出ているから、そっちから読んだほうがいいわ。」
はぁ、サンデルさんね。NHKの『ハーバード白熱教室』の人ね。
面白そうだと思って、NHKの番組録画予約したけど観てない。
地震以来、HDレコーダの電源の線抜いたままだし。
当然、本なんて読んでない。
田坂広志?知らないなぁ。
『7つの習慣』はあまりの分厚さに手にも取らず。
ポーター?これも知らない。
前に『知ってます。でもやってません(^_^;』ってタイトルでブログ書いたけど、訂正します。
『私は、何も知りません。しかも僅かに知っていることも、やっていません(^_^;』
しかし、こんな私と友達で、彼女には何のメリットがあるんだろうか?
彼女に聞いてみた。「何で、私と友達なの?」
そうしたら彼女、
「ゆうは何かに突進していくでしょ。で、頭をひょっと違う方向に向けるとそちらに突進していく。
観ていると楽しい」
そうですかぁ。楽しんでもらえましたか、お客さん。
いつか、びっくりさせてあげるからね。お客さん。
彼女は、『図で読み解く!ドラッカー理論 』って本をくれました。
(他は、自分で買えって)
まずは、これをしっかり読んでリベンジだわ。