自分は何をもって憶えられたいか [ 仕事に役立つ言葉]
とうとう逮捕されましたね。
特別手配中だったオウム真理教元幹部、高橋克也容疑者。
ここ10数日間で、防犯カメラの威力を実感しました。
分析能力を含めて防犯カメラの性能がここまで良くなっているとは。
気がつかれるように堂々と、あるいは気がつかないようにひっそりと、街中に防犯カメラが増えています。
うちのマンションも、大規模修繕中なので「防犯カメラ設置」の看板が。
足場が組まれ、シートで覆われているので、こういう看板があると抑止効果があるかも。
しかし防犯カメラのようにメリットが大きいものは、使い方を誤った時のデメリットも大きい。
どのように規制されているのか、不安もあります。
消費税だって、今後どういう社会を目指すから全体としてどうする、その中で消費税はどうだという議論のはずなのに、全体像はそっちのけ。
この国は、上に立つものがどうも国民の側を向いていないような。
(そういう政治家を選ぶ私たちも悪いけれど、選挙のシステムにも不備があると思う。)
なにより、政治家も官僚も、組織を束ねる=マネジメントのスキルが欠落していて、単なる押し合い・力比べしかできない。
知識はあっても知恵がないというか、1つ高いところからの視点が欠けている。
優秀な政治家・官僚もいると思いますが、長いこと狭い世界にいると一般的な感性を失いがち。
(それは、政治家・官僚に限ったことではないですが)
政治家も官僚も、ドラッカーの「マネジメント」を読みこみ、意識を高めるべきでしょう。
と思う私も、「マネジメント」を読んでいます。
もちろん、100分 de 名著の解説本
(エッセンシャル版は長いから…)
そこに書かれていたのが
自分は何をもって憶えられたいか
言い換えると、子供や孫、あるいはまわりの仲間に、自分はどういう存在として記憶にとどめておいてもらいたいかを意識しなさい、ということ。
常に1つ高い視点で何をするべきなのかを考え、ブレるなということでしょう。
これは、肝に銘じないといけませんなぁ。
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リスクなんてヘッジせんでええ! [ 仕事に役立つ言葉]
今日の朝日新聞beの米国ソース王吉田潤喜さんの記事に、こうありました。
米国ではMBA専攻の学生を相手に講演することもある。彼らは何かというと「リスクヘッジは?」というから、こう言ってやる。「アホ!経営は理屈やなくて生き物や。人間、逃げ道を作ったら必ず逃げるわ。リスクなんてヘッジせんでええ!」って(笑い)。
確かに、何かを成し遂げる人は「やってやろう!」という気持ちをしっかりと持っています。
人間どうしても楽なほうに逃げるから、時には退路を断つことも必要でしょう。
会社で出来ない理由を並べるだけの人は「やり遂げるための方法を考えろ!」と思うし。
しかし、原発再稼動を巡る動きを見ていると、リスク分析が甘いのもダメだと痛感する。
特に社会的影響が大きい大企業がそれをやってはダメでしょ。
もっとも、吉田さんの言うことを凡人が全て真に受けてはいけないのでしょう。
若さを保つ秘訣を聞かれた女優さんが「これだけ」と言うけれど、よくよく聞いてみると
これだけではないというのと同じ。
意識が高い人は、凡人から見て凄いことでも普通だと思っている節がありますから。
成功も、ダイエットと同じで、「これだけで痩せます」という方法はないということ。
多角的、長期的に現実を分析できて、やり遂げる意志が強く、絶えずチェックする姿勢も
あるなど、バランスがとれた感覚が大切なんでしょうね。
しかし、私を含めて現代の日本人は分解された簡単な話に飛びつきやすい気がします。
フナを解剖すれば細部は分かるが、生命のダイナミズムは理解できない。
昔読んだ「複雑系の知」という本に、このようなことが書いてあった記憶があります。
1つ1つのことを個別に見ていても、本当のことはわからないんですよね。
どうしても個別に走りがちな私は、気をつけておかないと。
大きいってリスクなんだよ [ 仕事に役立つ言葉]
日経によると
パナソニックは2012年度中をメドに、本社の従業員約7000人を半減する方向で調整に入った。配置転換や希望退職を募り、3000~4000人を削減する。テレビ、半導体事業や三洋電機のリストラに続き、手つかずだった本社のスリム化にも踏み切り、意思決定を速める。一連の事業構造改革に区切りをつけ、成長分野の環境へ経営の軸足を移す。
だそうです。
大企業の正社員でも安泰ではない時代だと言われていましたが、本当にそうなっている。
2人に1人は(配置転換を含めて)いなくなるのかぁ…
パナソニック本社の現在の人数約7000の内訳は、事務部門が4000人、研究開発部門は2000人、生産技術部門1000人だそう。(時事通信社より)
事務部門はアウトソーシングされるんだろうなぁ。
私の友達は、現職(IT技術者)があまりの激務なので事務職に転職したいとなどと言っていますが、現実を知らなさすぎです。
そこは、重力の世界(→この意味は、「10年後に食える仕事」で記述しています。)
ハングリーな外国人とのガチンコ勝負になり、これからお給料は下がる一方らしい。
それを承知で彼女が乗りこむならいいですが。
研究開発・生産技術部門も削減対象なんですね。
この領域の友達も(パナソニックじゃないけれど)多いのですが、ここは難しいですよね。
未来への投資の部分もあるから、あまり細くしちゃうと…
すぐ成果のあがる研究だけ評価されるようになって、結果的に競争に負けた会社も知っているし。
かと言って、いつまでも成果なく研究させられる状況ではなし。
評価制度が重要になりそう。
不景気が続くためか、学生の就職活動ではいまだに大企業が人気だとか。
しかし、この記事にもあるように現代では「大きいことはリスクの1つ」でもある訳で。
気候が激変したときの恐竜のように。
残念ながら、何も考えずに働き続けられる=安泰な仕事はなくなったのですね。
となれば、考えて働き続けるしかない。
私はあと20~30年くらい働かなければいけないのに、厳しい世の中だなぁ~。
【関連記事】
・10年後に食える仕事
別ブログ「働く女性の戦略的生活スタイル|Another You
STYLE」では、上の記事を補足する内容を記載しています。
↓
・10年後に生き残るためのキャリア戦略マップ
・自分の市場価値を知る方法
独りよがりの罪 [ 仕事に役立つ言葉]
今日の午前中、たまたまチャンネルがあったEテレの「テストの花道」(NHKのHP→★)
高校生に勉強の仕方を教え、テストのための「思考力」をつけさせる番組だそう。
たま~に見ますが、意外に面白い。
今日のタイトルは、「キミの話は伝わらない!」(放送内容の概要は→★)
「ちゃんと話を聞いてもらえない」「伝えたつもりが誤解されていた」のは、自分ばかりが伝えた
つもりの“独りよがりの罪”に陥っているかも知れないという指摘です。独りよがりの罪とは、
- 方向のズレ : 地図の東西南北のような軸(基準)がはっきりしていないと伝わらない。
- 認識のズレ : イメージは人それぞれ。漠然とした表現では伝わらない。
- 時間のズレ : 話を聞く相手に十分な時間がない場合、起承転結では伝わらない。
だそう。対策としては
- 方向のズレ →軸を共有する。
- 認識のズレ →数値化・具体例を挙げる。
- 時間のズレ →結論から伝える。(根拠もセットで)
まぁ、仕事をするときには、普通意識することですね。
意識しないととんでもないことになりますから。
しかし、プライベートでは、私はこれを全く無視しているような気が
特に結論から伝えるというのは、てんで出来ていないわ。
ことの始まりから延々と話し出し、最後のほうになって相手から
「それが言いたかったのね。一体どこに話が行くのか、途中で不安になった」
といわれる始末。
はじめから伝えたい内容が明確にあるというより、自分の気持ちを共有して欲しいという
思いが強いからかしら。はじめから順番に話したい。
でも、暗闇の中を引きずり回される相手にしてみれば、気持ちの共有どころではないらしい。
オンのスキルは、オフでも生かすべし。
当たり前だけれど、忘れがちなことかも。
「HOW TO」病 [ 仕事に役立つ言葉]
今朝の朝日新聞に『「HOW TO」病の日本』という記事が載っていました。
要約すると、
4/12のソニー経営方針説明会での新社長のスピーチは、黒字企業になるための「手段」は具体的ではあったが、黒字企業になるとして、どんな会社に生まれ変わるのか、という目標、理念が明確ではない。
大赤字を抱えているのに夢やビジョンを語っている余裕はない。とにかく具体的な施策だ--。これは、組織や人が陥りやすい「手段の目的化」という病ではないだろうか。
イノベーションを生み出す経営について研究する野中郁次郎一橋大学名誉教授は「今の日本の経営者は『HOW』ばかりを語り、『WHAT』『WHY』をあまり語らなくなっている」と話す。
天下のソニーでも、そんな感じなんですね。
私が前にいた会社も、2000年くらいから「売り上げ○パーセント増、コスト○パーセント減」なんて掛け声しか聞こえず、会社が一体どこに向かおうとしているかさっぱり分からなくなって。
理念やビジョンが明確でないと、どんな仕事で売り上げを伸ばし、どんな仕事は縮小するのか、どのコストを削減して、どのコストは増やすべきか、という判断ができないですよね。そうなると判断が硬直化して迷走しやすくなるでしょう。
余裕がない=やり直ししている時間はない。だからこそ、理念やビジョンをしっかり定めるべきなんですね。
記事は
自社は何を目指すのか。存在価値はどこにあるのか。人ならば自らに問い続ける難問から会社も逃げられない。
と続きます。
う~、耳に痛い…
「人ならば、自分は何を目指すのか、自分の存在価値はどこにあるのか、自らに問い続けなければならない」ですね。最近の私が迷走気味なのも、当面の作業に捉われすぎて、根源的なことを忘れがちだったからかも。
いけない、いけない。立て直さないと。
ノブレス・オブリージュ [ 仕事に役立つ言葉]
TV番組で、高級品の消費が回復しつつあるようなことを言っていました。
びっくりしたのは100万円以上の高級腕時計の売れ行きがよいらしいこと。
節約疲れという言葉もありましたが、疲れたからと100万円の時計を自分へのご褒美に
したら、財政が苦しくなるおうちが多いはず。
私の周りにも小金持ち・プチブルジョアはいますが、彼女たちにも勇気がいる額です。
お金持ちがお金を使う。これはよいことです。
お金持ちに、自分のお金を増やすことばかり考えられても困りますから。
どんどん高級品を買って景気回復に貢献して欲しい。
そして、「ノブレス・オブリージュ」も忘れないで欲しいです。
でも、先月くらいに『お金持ちで高学歴、社会的地位も高い「勝ち組」ほど、ルールを守らず
反倫理的な振る舞いをする』という記事が出ていましたよね。(朝日新聞→★)
お金持ちで高学歴、社会的地位も高い「勝ち組」ほど、ルールを守らず反倫理的な振る舞いをする――。米国とカナダの研究チームが、延べ約1千人を対象にした7種類の実験と調査から、こう結論づけた。28日の米科学アカデミー紀要に発表する。
実験は心理学などの専門家らが行った。まず「ゲーム」と偽って、サイコロの目に応じて賞金を出す心理学的な実験をした。この結果、社会的な階層が高い人ほど、自分に有利になるよう実際より高い点数を申告する割合が多かった。
ほかに、企業の採用面接官の役割を演じてもらう実験で、企業側に不利な条件を隠し通せる人の割合も、社会的階層が高い人ほど統計的に有意に多かった。別の実験では、休憩時に「子供用に用意された」キャンディーをたくさんポケットに入れる人の割合も同じ結果が出た。
勝ち組と言っても中途半端な勝ち組かもしれないし。
「本当の」お金持ちは違うと信じたいです。
仕事をする理由 [ 仕事に役立つ言葉]
朝日新聞の求人欄のコラム「仕事力」は、4週にわたって村木厚子さんのお話でした。
郵便不正事件で捜査資料改ざん・隠蔽によって逮捕・起訴されるも、無罪となった方です。
その壮絶な体験に対する対処の仕方もすごいなぁと思いますが、このコラムで感じるのは
村木さんの仕事に対する真摯な姿勢です。
お給料をもらうわけですから、それに値する成果を求められる、「本物」であることを求められる。仕事とは、その人の存在を認め、尊厳を持って生きるための力を与えてくれるものです。
仕事から尊厳を得る。今のご時世では難しいことだけれども、「本物」であろうと強く願い行動した結果が、存在を認められ、尊厳を持てることにつながるのかも。周りのせいにすることは簡単。その前に自分がどこまで本気で仕事をしてきただろうかと振り返ってしまいました。
趣味の充実は大切なこと。しかし対価を得て仕事としてやっている人との差は歴然で、仕事と趣味では到達する地点が全く違う気がします。(もちろん、本気で仕事をしている場合ですが。組織が大きいと本気でやらなくても仕事として成り立つケースが時々あるので、そういう人は趣味の人と大差なかったりします)。趣味が悪いというのではありません。しかし本気がない趣味だけの人って深みがない気がします、私は。
人間は仕事に貪欲であっていい。結婚し、子育ても介護も人生に取り込んでなお、当たり前に仕事をしたいんです。それはちょっと大変だけれどとても楽しいと、皆さんに伝えたいですね。
前回のコラムでは、仕事と子育てを両立中のハードな状況も紹介されていました。これを読むと、若い女性に専業主婦願望が強くなってきた理由もわかる気もします。だって、大変そうだもの。
電通総研による20~40代未婚女性への調査(2010年)で、約3割が「専業主婦になりたい」と答えているそう。
私は、(やったことないけれど)子育ても立派なお仕事だと思います。しかし、ずっと専業主婦で経済的に旦那さまに依存するリスク(旦那さまがリストラされたら?賃金カットされたら?離婚を切り出してきたら?)をどうヘッジするのでしょう。何より、子育て期間は多くの場合20数年であり、その後どう「本気」で生きていくのでしょう?
若い女性に「仕事と他の人生のステージを両立することは楽しい」と伝えられなかった私たち世代の責任も感じます。(私たちだけの責任ではないと思いますが)。仕事って苦しいけれど楽しいよ。子育ても同じで苦しいけれど楽しいのではないかな、たぶん。その2つを両立して最高に「本気」で生きる経験もしてみたかったよとおばさんは後悔しています。
前を向いて [ 仕事に役立つ言葉]
今日は、今年初めての資源ごみ収集日。
ビン・缶・新聞紙を出しに収集場所に行くと、そこにはホームレスと思われるおじさまが2人。
私を見ると、おじさまのひとりが「どうも、すみませんねぇ~」と屈託のない明るい笑顔。
「やけに明るいホームレスさんだわ」と思っていると、そのおじさまが相手方に「みんな年末年始に酒をいっぱい飲んだんだろう。そのおこぼれに少しくらいあずかってもいいよな」と。
確かに缶ビールの空き缶が多かったけれど、いっぱい集めても大した額にはならないだろうに。
それでも、あんなに満面の笑み。
文句ばかり言っている我が身がちょっぴり恥ずかしい。
ふたりとも60代らしく、これから職業訓練受けたとしても再就職は無理なんだろうなぁ。
だとしたら、あと20年以上どうやって生きていくんだろう…
が、私自身は他人の心配をしていられる状況ではなく。
20代の友達はアルバイトから抜け出せず。
40代の友達はリストラされ、就職活動苦戦中。
50代の外資系企業に転職した元上司は解雇されて隠居状態とのうわさも聞く。
しかし、おじさんはわずかの収入増で喜び、友達は新年会しようと連絡してくる。
悲観的になってもしょうがない。けれど、根拠のない楽観主義も困る。
建設的な楽観主義にならないとね。
「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。」
アランの『幸福論』の中の言葉だそうです。
困難な場面においては、苦境を変革し乗り越えて、新たな状況・未来を作り出すのだと言う意思が必要だということだそうな。
こういう困難な時代、哲学は重要かもしれないな。
なにごともバランス [ 仕事に役立つ言葉]
今朝起きたら、喉が痛いし首の後ろが重い。
どうやら風邪を引いたようです。
冷え込むからと、昨晩少し厚めの掛け布団に変えたのがいけなかったみたい。
朝起きたときには、暑いからか手足と肩が掛け布団から出ていました。
過ぎたるは猶及ばざるが如し。
私がやりがちなパターンです。
ジュエリーのデザインしていても、どうしても過多になってしまう。
気をつけていないと「パワフルだね」とか「インパクト大だね」と言わる代物になってしまって。
そんな私に忠告するかのような文が、今朝の朝日新聞に載っていました。
文化面の『はじめてのモーツァルト』という記事。
解説の最後に「個性や斬新さを主張しないところにこそ、真に非凡なものが宿る。これもまた、自然の摂理なのかもしれない」と。
小さい頃から、中庸という言葉が嫌いだった私。
中庸=平凡というマイナスなイメージがあって、個性や斬新さを求めていました。
でも、中庸とは「過不足がなく調和がとれていること」と辞書にあります。
調和がとれているものは心地よい。
音楽でも、デザインでも、人の行動でも。
バランスのよいデザイン、バランスのよい行動。
それを目指して頑張らなくては。
病気が教えてくれること [ 仕事に役立つ言葉]
昨日、入院中の友達を見舞ってきました。
数少ない経験から言うと、病気の人(特に重めの病気の人)は2通りに分かれる気がします。
- 病気を受け入れ、その状況でベストなことは何かを考えられる人
(闘病ドキュメントに見るような、病気を糧に自分を高める人) - 病気を恨み、周りを嫉み、自滅していく人
(自分は病人だから優しくされるべきだと自分を「必要以上」に甘やかす人)
もちろん、同じ患者が前者と後者の間で揺れたりもします。
タバコを吸って肺がんに、お酒を飲みすぎて肝硬変に、などの自業自得の病気もありますが、
なんであの人があの病気になるのか分からないという病気もある。
そういう不条理に人間がどう立ち向かうかの典型的なパターンのような気がします。
思い出すのは何かで読んだ言葉。
変えられることを変える勇気と
変えられないことを受け入れる冷静さと
その2つを見分ける知恵を
ネットで調べると、神学者ラインホルド・ニーバーの言葉みたいですね。
(英語だと順番がちょっと違うのかな?)
自分ではどうにもならないことに捉われず、自分でどうにかなることを一生懸命頑張る。
自分でどうにかなるか、ならないかの判断を間違えない。
これは、病気に限らず、仕事でも、家庭でも、地域社会でも当てはまることですよね。
私が病気になったら、今のままだと絶対後者になるだろうなぁ。
まずは、知恵(=判断力)をつけないと。